[CSIOスプルースメドウズ・マスターズ2018／CSIO5*Spruce Meadows]
現地時間9日、CSIOスプルースメドウズ・マスターズ2018（開催地：カナダ／スプルースメドウズ）最終日に行われたCPインターナショナル・グランプリ（二回走行競技／170cm）にて、サメ・エル・ダハン（エジプト）＆スマズ・ゾロ号が優勝。2位にはマイケル・ファン・デル・フルーテン（オランダ）＆VDLグループ・ヴェルディTN号、3位にはビージー・マッデン（アメリカ）＆コーチ号が入った。
[ハイライト動画]第1走行
出場38人馬のうち、世界ランク5位で2008北京五輪個人金メダリストのエリック・ラマーズ（カナダ）＆ファイン・レディー5号、同ランク9位で2012ロンドン五輪個人金メダリストのスティーヴ・ゲルダ（スイス）＆ハンナ号、FEIジャンピング・ワールドカップ・ファイナル2018を制したビージー・マッデン（アメリカ）＆コーチ号、LGCT2015チャンピオンのルシアナ・ディニス（ポルトガル）＆フィット・フォー・ファン13号、サメ・エル・ダハン（エジプト）＆スマズ・ゾロ号、マイケル・ファン・デル・フルーテン（オランダ）＆VDLグループ・ヴェルディTN号、アンドレ・ティエメ（ドイツ）＆アレティノ13号の7人馬がクリアラウンド（減点0で走行を終えること）し、第2走行へ進出。
さらに、規定タイムオーバーによる減点1でフィニッシュしたコナー・スワイル（アイルランド）＆ルーベンスLSラ・シラ号、減点4でフィニッシュした5人馬のうち、タイム差で上位につけたニコラ・フィリッパーツ（ベルギー）＆H＆MハーレイVDビショップ号、エドゥアルド・メネゼス（ブラジル）＆H5クゥイントル号、ローワン・ウィリス（オーストラリア）＆ブルー・ムービー号、オリヴィエ・ロバート（フランス）＆エロス号の4人馬が第2走行へ駒を進めた。
なお、昨年のグランプリウィナーであるフィリップ・ワイスハウプト（ドイツ）＆LBコンヴァル号は減点8、世界ランク3位でCHIOアーヘン2018のグランプリを制したマーカス・アーニング（ドイツ）＆コルナードNRW号、同ランク8位のケント・ファリントン（アメリカ）＆クリーダンス号は途中棄権に終わり、第2走行進出を逃した。
第2走行
第1走行下位の人馬から順にスタートするリバースオーダーで行われた第2走行では、トップバッターのニコラ・フィリッパーツ（ベルギー）＆H＆MハーレイVDビショップ号が早々とクリアラウンド。総減点4（第1・第2走行トータルの総減点。以下同）をキープし、ジャンプ・オフ成立へ望みをつなぐ。
しかし、7番目のマイケル・ファン・デル・フルーテン（オランダ）＆VDLグループ・ヴェルディTN号が第1走行に続いてクリアラウンド。総減点0で首位に立ち、フィリッパーツは優勝争いから脱落してしまう。また、8番目のスティーヴ・ゲルダ（スイス）＆ハンナ号は減点9で敗退したが、9番目のサメ・エル・ダハン（エジプト）＆スマズ・ゾロ号は減点0でフィニッシュ。この時点でジャンプ・オフが成立となる。
その後、10番目のビージー・マッデン（アメリカ）＆コーチ号は規定タイムオーバーの減点1で惜しくもジャンプ・オフ進出ならず。さらに、11番目のエリック・ラマーズ（カナダ）＆ファイン・レディー5号は減点8、最終12番目のルシアナ・ディニス（ポルトガル）＆フィット・フォー・ファン13号も減点4で走行を終えたため、ジャンプ・オフはマイケル・ファン・デル・フルーテン（オランダ）とサメ・エル・ダハン（エジプト）の一騎打ちとなった。
ジャンプ・オフ（優勝決定戦）
最初にスタートを切ったマイケル・ファン・デル・フルーテン（オランダ）＆VDLグループ・ヴェルディTN号がこの競技3度目のクリアラウンド。42.98秒の好タイムを叩き出すと、スタンドから大きな拍手がわき上がる。
そして、いよいよ大会のラストを飾るサメ・エル・ダハン（エジプト）＆スマズ・ゾロ号がアリーナへ。大きな重圧がかかるなかスタートを切った人馬だったが、タイトなターンバックをきめながら、ハイペースで一気にコースを駆け抜けてクリアラウンド。ファン・デル・フルーテンのタイムを0.77秒上回る42.21秒をマークし、見事にCPインターナショナル・グランプリを制した。
この勝利により、エル・ダハンは優勝賞金100万カナダドル（約7,800万円）を獲得。馬術界の歴史のその名を刻んだエジプトの英雄が、新たなグランドスラム・コンテンダーとして名乗りを上げた。
PHOTO：Douglas Sinclair